2020年8月3日
普段、取材現場にはディレクター、ライター、カメラマンの3人で伺います。ディレクターが全体の進行、ライターは取材、カメラマンは撮影します。
回数を重ねるごとに取材はライター一人では成り立たず、この3人のチームワークが大切だと感じるようになりました。
今回はカメラマンの視点にたって、ライターとしての私が現場で気をつけている2点についてご紹介します。
まず、1つ目は視線。
カメラマンは取材相手のいい表情を狙っています。ところが取材時に、ずっと下の方を向く人、きょろきょろしてしまう人もいます。そんな時、カメラマンは取材を遮らないようにさりげなく声をかけて目線をとらえたりされます。私は当初、写真撮影はカメラマンの仕事と思い(素人の私には、自分が映り込まないように、邪魔にならないようにするのだけで精一杯)、カメラマンに頼りきりでした。
ところがある時、取材相手の視線がそれるのは、取材をしている私にも問題があるのでは?と思ったのです。私も取材中に、相手の目を見るというよりは、視線をきょろきょろしていることに気づいたのです。
それは、やはり緊張からでした。じっと相手の目を見つめるのはどこか気恥ずかしいですし、相手の話していることを理解しながら聞こうとすると、頭の中で言葉がぐるぐる回り、視線が定まらなかったのです。
これは取材相手も同じかもしれません。
しかも、取材する私がこんな風だと余計に焦ってしまいますよね。それ以降、できるだけ、私の視線は相手の顔の少し下や横などにさりげなく固定するように心掛けるようになりました。もちろん、もともとの癖はあるかもしれませんが、私が落ち着いた仕草をすることで、相手も落ち着きやすくなると思っています。
2点目は笑顔。
仕事に関する話を聞いているので、取材相手は熱が入って真剣な表情をされる場合が多いです。もちろん、この真剣な表情もいいのですが、ふっと力の抜けた自然な笑顔の瞬間もカメラマンは撮りたい。そうして、カメラマンが狙っているのが、私が休日の過ごし方や趣味などを聞いている時間なのです。この時間は、ライターの私も取材相手の意外な一面を見つけたいと思っています。
ですから、この質問は相手には気楽なものと思わせながら、実はとても重要な質問なのです!
この時間にいい話を引き出せたり、笑顔が引き出せると、ライターもカメラマンも心の中でにんまりです。
ですので私は必ず一度は、取材相手が笑顔になるような質問をするようにしています。